里帰り。

ヤウグルト

会社で「カスピ海ヨーグルト」を作って1年になる。
N村先輩(52)から花粉症に効くという触れ込みで菌分けして
貰ったのが起源だ。今となっては花粉症に効くかは問題では
なく、如何に美味しく作れるかを日々考えている。
まるでヨーグルトマイスターだ(笑)


毎日4匙をビンに入れて牛乳を注いで常温で放置する。
翌日の昼にはビン一杯のヨーグルトが完成している。
ココ1年の培養した経験では、丸一日寝かして食べる3時間前
から冷蔵庫で冷やすと、軽く締まって美味しくなる。
つまり土曜が出勤日の時作ったものを、月曜に食べると最高である。
旅行で2日以上休む場合は冷蔵庫に保管しておく。
寒いと菌の動きも鈍くなり、ヨーグルトと牛乳の中間体でグズグズと
発酵しつづけるのだ。旅から帰ってきて、冷蔵庫から出せば、翌日には
シャキッと固まる。


ヨーグルト菌は弱いので、培養したビンから容器にあけた後、
培養ビンを熱湯消毒すると良い。ビンの口までポットのお湯を入れて、
1・2・3・4・5と数えて湯を捨てる。市販の牛乳だって、80℃で
3秒ほどの殺菌時間である、問題ない。
マメに殺菌をしたせいか、普通は冷蔵庫にいれても2日後には固まって
仕舞うほどの筋力 菌力に成長した。


そんな折、N村先輩宅の菌が元気が無いという。数日熟成しても固まらないという。
そこで、我が最愛の(?)菌の里帰りが打診された。
俺としても、さいたまへ転勤した後ヨーグルト熟成に勤しめる職場環境で
あるかは判らないので、処理に困っていたところだ。
いっそ死ねば諸共、喰えば諸共 とばかりに完食してしまおうかと思っていたが、
思わぬ引取り手が出来たので、菌も寿命を永らえた。喜ばしいことである。


菌としては、N村先輩宅のものが本家筋であり、コチラは分家の身であるが、
本家の危機を分家が救う! というのも近頃聞かない美談(?)ではないか。
皇位継承で揺れる何処かとは異なり、菌の継承は非常に単順な話である。